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葛川息障明王院 太鼓まわし
大津市葛川坊村町


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太鼓の上から勇壮に飛び下りる行者
地図
[交通メモ]JR堅田駅から江若バス坊村下車すぐ
TEL077(599)2372
 7月18日午後10時 葛川(かつらがわ)の息障明王院(そくしょうみょうおういん)は、国道367号の坊村バス停に近い、明王谷川に架けられた三宝橋のそばにある。
平安時代の初め、相応和尚(そうおうかしょう)が開いた修験道場で天台回峯行(かいほうぎょう)の重要な旧跡でもある。
 この明王院で7月18日夜、天台宗の行者らが太鼓から飛び下り、滝つぼに飛び込むさまを表す伝統の「太鼓まわし」が行われ、信者たちは勇壮な祭りに酔いしれる。「太鼓まわし」は、16日から始まる天台行者らによる葛川参籠(さんろう)のなかの一行事。明王院を開いた相応和尚が平安時代の貞観(じょうかん)年間(859−877年)に葛川の三の滝で修業中、滝つぼに不動明王の姿を感じ、滝の中に飛び込んだところ、抱いた仏体が桂の老木となった。相応はその霊木で不動明王を彫り、本尊として祀(まつ)ったのが、明王院の始まりという故事にちなんでいる。
 18日の午後10時、法被(はっぴ)にタスキがけの若者数人が、先端にいくつもの切り込みを入れたササラ竹を鳴らしながら見物人のひしめく同院本堂に走り込み、円陣をつくる。続いて、本堂わきにつるしてある大太鼓を転がしながら運び込み、床の上で力強く回転させたあと白衣の行者数人が太鼓の上から繰り返し勢いよく飛び下りる。
 これが、滝に飛び込む相応和尚の姿の再現を意味し、行者が跳びはねるたびに堂内は熱気と興奮に包まれる。行者ら50人は、参籠行事の間は三宝橋の対岸にある地主神社(じしゅじんじゃ)に参る以外は境内から一歩も外に出られない夏安居(げあんご)を続ける。そして行者らは「太鼓まわし」のあと、19日に明王院の700メートル東側にある三の滝で修業し20日午前に明王院を後にして、5日間にわたる行事の幕を下ろすのである。(1997年7月号掲載)


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